8: ◆rVDRt1VsVI[saga sage]
2011/06/09(木) 17:18:38.88 ID:58E1B54qo
 「……大丈夫?オカリン……」 
  
 叫びだしそうになる俺を、聞きなれた優しい声が引き留めた。 
 自分でも驚くような勢いで振りむくと、心配そうなまゆりが俺の顔を覗き込んできた。 
  
 「……ま、ゆり……」 
  
 「ちょ、オカリン大丈夫なん?顔真っ青じゃん」 
  
 まゆりの隣でコーラを一気飲みしていたらしいダルも、俺の異変に気づき声をかけてきた。 
 どうやら、少なくともダルとまゆりはいつも通り……らしいな。 
  
 「……」 
  
 しかし、ここはいったいどこなんだ? 
 ダルとまゆりの正常さが、逆に周りの環境の異常さを際立たせていた。 
 見たこともない町並みを行き交う人々。 
 タイムリープを繰り返していたときとまったく違う明らかな『改変』 
 本当に違う世界に、迷い込んでしまったような……そんな感覚。 
  
 「オカリン……今日は止めにしとく?」 
  
 俺の異様な雰囲気を察したのか、まゆりが心配の色を強めて言う。 
 今日は止めにしとく、ということは……今から何か予定があるということなのだろう。 
 正直、全く持って気が進まなかったが、この世界での自分の状況を知るためにもここで折れるわけにはいかない。 
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