過去ログ - 一方「俺が選んだのは」
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154:黒子毛
2011/06/18(土) 20:06:12.86 ID:eut+nO3n0


10033号「ですが…」


大切な記憶を思い起こすように、10033号はゆっくりと目を細めた。


カップに注がれた液体が、波紋を広げながら静かに揺らぐ。



10033号「北国の寒さに震えているところへ、現地の方から温かい声をかけていただいた個体がいます」


10033号「生まれて初めて人助けをして、生まれて初めて"ありがとう"という言葉を頂いた個体がいます」


10033号「自分の初めての趣味を見つけた個体がいます」


10033号「学習装置で得た知識ではなく、実際に人間と繋がりを持った個体がいます」


10033号「実験で殺害されること以外に存在意義を見つけた個体がいます」





10033号「そうしている間に気付いたのです」





10033号「実験が終わり、死ぬ必要が無くなった今」

10033号「『妹達』の全員が、もうたった一人でも欠けてはいけない存在なのだと」



10033号「ここにいるミサカは、この世に唯一のものなのだと」



一人のヒーローが欠けたこの世界で、クローンの少女は自力でその結論に辿り着いた。







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