2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)
2011/06/11(土) 22:17:26.21 ID:goJOdKVm0
無機質な電子音がリズムを刻む。
単調で、面白味なんて何もない機械音。
その音が、リズムを刻む感覚を少しずつ大きくする。
私は、目の前の彼女の方を見る。
呼吸を忘れた彼女の口からは太い管が延び、それは枕元の機械に繋がれていた。
きっともうすぐその管は意味の無いものとなるだろう。
彼女は、もうすぐ心臓を鳴らすことを忘れてしまう。
それはつまり、死んでしまうということ。
私の左手の中にある彼女の右手が、少しずつ力を失う。
それと同時に私も手を握る力を弱める。
その内、電子音がリズムを刻むのを止め、一直線の音を作った。
私はさようならを言う代わりに、彼女の手を離した。
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