420: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/06/22(水) 20:16:23.62 ID:Ug5ay8hpo
テラーは視線を前方に向ける。
そこには先ほど消えた物と同じような本が、どういう仕組みなのかふわふわと宙に浮いていた。
一冊だけではない、二冊、三冊。両手の指で数えきれるかきれないかという数の本が
読み手を待ち望むようにただ音もなく浮いていた。
テラーがその内の一冊に手を伸ばす。
瞬間、漏電したような音と共にテラーの手が鋭く弾かれた。まるで触れられるのを拒むように、
まるで"まだその物語は読む時ではない"と暗に示しているように。
テラーの手は陶器のように砕けていたが、見る見るうちに修復されていった。
「まだ"私程度"の存在が踏み入れていい領域ではない、ということか。
量子力学の観測問題……、『エヴァレットの多世界解釈』辺りを詳しく研究すれば
この書物達を開き、物語を読んでいく事が出来るのかな?」
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