422: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/06/22(水) 20:17:20.17 ID:Ug5ay8hpo
テラーは自分自身と目の前に並ぶ数冊の本以外、『何も無い』無の空間でそんな事を言った。
強いて言うなら、闇があった。闇と、本の存在を強調するように、天からスポットライトのような
光が数冊の本を照らしている。
テラーは再び一冊の本に手を伸ばす。今度は拒絶されることはなかった。
すんなりと、吸いつくようにテラーの手に本が収まる。
「やはり今、読み取れる物語はこれだけか……。 いかんな、これだけ価値がある物が
並んでいると、どうしても欲が出てしまう。 そういう意味では、私は世界の誰よりも
子供なのかもしれないな」
手にとった本をゆっくりと開く。そのページから、目を潰しかねない程の光が溢れ出てきた。
「さて、それでは観測してみようか。 この物語は読む価値も無い『蛇足』だが……、
我侭は言うまい。 ひとまずはこれで手を打とう」
テラーが開いたその物語は、テラー自身も訪れるとは思っていなかった、偶然と運命から織り成される物語。
とある少年が仲間達と共に、とある天使を救うことが出来た物語である―――――。
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