51: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/06/12(日) 18:24:53.28 ID:sTktK5qlo
もう一方通行は何も言わなかった。壁に背を預けてその場に座り込む。
その行為が、アレイスターに剥く牙が抜けたと暗に示していた。
アレイスターはそんな彼に対して安心も警戒もせず、
背を向けて地下通路の先にある闇へ足を引きずりながら歩んでいく。
「君も私も、何も変わりはしない。 お互い、上位に位置する存在に
振り回されているだけの哀れな道化に過ぎん。 だがその事実に気付いたところで、」
弱々しい足取りを止め、アレイスターは言った。
「少なくともミーシャ=クロイツェフはもう戻ってきやしない。 例え何者かが再び天使を再召喚しようと、
それによって降臨した『神の力(ガブリエル)』は君の求める天使ではない。 それは君が一番よく理解できるだろう」
その言葉を最後に、アレイスターは闇に溶けて消えていった。
その後、天上から滴り落ちる水滴の音だけがしばらく鳴り響いていた。
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