958: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/07/09(土) 20:04:59.98 ID:F/JBIqiLo
「そう、彼だよ」
一方通行はこちらの存在に気付き、明らかに警戒の色を見せるその男を知らなかった。
だがそれでも、その男がエイワスの言う『六人目候補』である事に気付くことが出来た。
それぐらい、男は異質だった。端的に言うと、"自分と似たような存在"だと感じた。
エイワスの方を見る。金髪の怪物はまたしてもいつの間にか着替えていた。
いつものゆったりとした白装束。フラットな表情。エイワスはエイワスとして、男に接触するつもりらしい。
ゆっくりと彼に近付いていくエイワスに、一方通行も短く息を吐いて着いて行く。
赤い髪の男がより一層警戒を強める。
普通じゃなかった。そこらの人間が発する事のできる重圧ではなかった。
修羅場をくぐっている。一方通行と同じように。
強力無比な『力』を持っている。一方通行と同じように。
ただ一つ、『力』を持っているというよりは、"持っていた"という印象を一方通行は受けた。
エイワスはこちらを見て若干怯える子供たちを無視して男に話しかける。
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