過去ログ - もしも「まどか☆マギカ」が2クールだったら
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106: ◆NqJArk5IVdBU[saga]
2011/07/17(日) 18:16:07.83 ID:3RNaMLYEo
 その時、均衡を崩す、巨大な一撃が放たれた。
 さやか目掛けて飛来する、ビルの投擲。まともに受ければさやかも、その背後のまどか達も、
一巻の終わりである。
 マミは咄嗟に巨大な銃を出現させ、ビル目掛けて発砲する。

マミ「ティロ・フィナーレ!」

 砲撃がビルを丸ごと撃ち抜いた後、リボンに変化して絡みつき、粉々に打ち砕く。
 巴マミの必殺技、その威力は折り紙つきだが、技を放った瞬間、防御が手薄になるのは
避けられない事だった。
 左翼に展開した、リボンの防御壁がほどける。その隙間を突いて、細く分裂した光線が侵入する。

さやか「あぶない!」

 まどかを狙う光線。その間にさやかが割って入る。
 その一つが、剣のガードをすり抜けて、さやかの胴に命中した。

 減衰しながらも十分な威力を持っていた光線は、さやかの体を起点に跳弾する。
 衝撃と瓦礫がまどか達にも届く。ほむらは盾を中心に球状の魔法壁を展開し、まどかを守る。
 さやかを呼ぶ声は、炸裂音にかき消された。

 まどかは弓を構えた姿勢のまま、背中越しに一部始終を見てしまった。
 地に転がるさやかの体。その下腹部――ソウルジェムが収まっていた位置――には、
風穴が開いていた。

まどか「うそ!? うそでしょ!? さやかちゃん! ねぇ!」

 ほむらが手に力を込めて、取り乱しそうなまどかを制する。
 そうしなければまどかは、弓を放り投げてさやかの元へ駆けつけてしまっただろう。

ほむら「ダメ! まどか、あなたは前を見て」

まどか「でも!」

 攻撃の手は緩まない。正面から、光線の束が迫る。
 ほむらは迷わず時間を止めた。

ほむら「まどか、タイムリミットよ。これが最後の時間停止。正真正銘、最後のチャンス」

まどか「最後?」

ほむら「もう私には魔力が残ってないの」

 まどかは重ねられた左手を見る。そこに嵌められた紫色のソウルジェムは、既に穢れきっていた。

まどか「!! ダメ! ほむらちゃん、それ、もう限界だよ! これ以上力を使ったら」

ほむら「お願い、まどか、負けないで。
   絶対に、未来を、変えて――」

 糸が切れたように、ほむらの手から力が抜け、足元にくず折れる。
 時間の歯車が噛み合い、動き出そうとする感触が、まどかに伝わる。

まどか「いや……いやああああああ!!」

 矢の光は急激に強くなり、ついにワルプルギス目掛けて放たれた。
 迫る光線を真っ向から蹴散らして突き進み、的を貫く。
 そして巨大な光の球に変化して、標的を圧倒的な破壊の力で焼き尽くした。


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