過去ログ - もしも「まどか☆マギカ」が2クールだったら
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◆NqJArk5IVdBU
[saga]
2011/07/17(日) 18:25:17.29 ID:3RNaMLYEo
斯くしてその一撃で、ワルプルギスの夜は撃破された。
まどかは一歩も動く事ができず、天を仰ぎながら涙を流し続けている。
まどか「やだ……やだよう……」
マミと杏子はかける言葉を見つけられず、固唾をのんでその様子を見守る。
さやかはまどかの後方でむくりと起き上がり、穴の開いた胴体を修復する。
ほむらはまどかの足元で伏せたまま、虎の子のグリーフシードを使い、難を逃れている。
杏子「ひどい茶番だな、オイ」
ほむら「あら、上手くできたと思うけど」
まどか「ひっ!?」
まどかは驚きのあまり、振り向いた勢いのまま尻餅をつく。
まどか「そんな、どうして……?」
マミ「鹿目さんの感情を爆発させるために、死んだフリをしたのね。
理屈は分かるけど、ちょっとこれは、あんまりよね……」
さやか「ソウルジェムは、髪留めに変えておいたのさっ」
満面の笑みで、さやかが言う。
さやか「いや〜、ごめんね〜?
悪いとは思ったんだけど、ここまで上手くいくと何か逆に気持ち良いっていうか。
まどかったら、もう完全に信じきってたもんね。
魔法少女になっても、やっぱりまどかはまどかだわぁ」
ほむら「あなたの魔力の強さは、私が一番良く知ってる。
あのワルプルギスの夜を一撃で仕留めて尚、余力を残すほどだと、知ってたの。
ただ、きっかけが必要だったのよ」
まどか「〜〜〜〜ッ!!!」
まどかはしばらくの間、大声で泣き続けた。
マミがそれを優しく抱きとめる。残りの三人は気まずい思いをしながら、互いに傷の手当をした。
まどかは一頻り泣き終えると、もう一度だけ弓を引いた。
天に向け放たれた矢は一筋の尾を引き、虚空へ消える。
魔女を消す救済の矢。その対象は、未来の自分自身。
矢を番えれば対象の人生を一望し、矢を放てば対象に纏わるありとあらゆる可能性の未来に
飛んでいく。
こうして彼女は最悪の魔女を予め封じ、自分の死期も知り、その時こそは全ての魔女の救済に
身を捧げる事を決意した。
つまるところ、救済の先送りと、確約である。
自らの存在と引き換えに全てを救う力。彼女はそれを、直ちには行使せず、保留したのだ。
それが彼女の答え、せめて人としての生を全うするための選択だった。
まどか「わたし一人の命じゃない。わたしがいなくなれば、悲しんでくれる人がいる。
なら、簡単に消えちゃうわけにはいかないよね」
希望を信じて、涙に終わる少女達。歴史の裏で積み重ねられる悲しみの連鎖。
帰るべき日常。家族。友人。人間らしい、人並みの幸福。
誰も見捨てず、置き去りにしない、幸せな結末へ向かう道を探して。
彼女達はようやく一つの答えを選び出し、未来へと歩き始めた。
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