過去ログ - もしも「まどか☆マギカ」が2クールだったら
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/06/12(日) 21:29:46.29 ID:J4atmiJqo
「あ、あのー、その、わたしが保健係って、どうして」

「早乙女先生から聞いたの」

「あ、そうなんだ……」

 渡り廊下を移動しながら、ぎこちない会話を交わす。
 休憩時間になると、転校生はすぐに向こうから話しかけてきた。
なんでも気分がすぐれないので、保健室に連れて行ってほしいらしい。

まどか(でも、あんまり体調が悪いようには、見えないな……)

まどか「えっとさ、保健室は……あっ」

ほむら「こっちよね」

まどか「その、もしかして……場所知ってるの?」

 返事は無かった。

まどか「あ、暁美さん?」

ほむら「ほむらでいいわ」

まどか「ほむら……ちゃん」

ほむら「…………」

 ほむらは足を止めた。振り返り、まどかを直視する。

ほむら「鹿目まどか、あなた、私の名前を知っていたわね」

まどか「へっ?」

ほむら「教室で、あなたは真っ先に私の名前を呟いた。ちゃんと聞こえていたのよ」

まどか「あっ、あの、その……」

 彼女に見つめられると、どうにもまごついてしまう。言葉が出てこない。

まどか「……えっと、耳、良いんだね。えへへ」

ほむら「とぼけないで」

まどか「へうっ」

 真っ直ぐに刺さる視線。まどかは正直に話す事にした。

まどか「夕べ、夢の中で会った……気がして」

 ふと思い直し、慌てて付け足す。

まどか「あの、違うの。これもとぼけてるんじゃなくて、わたしホントに――って、
    本当かどうかわたしも分かんないんだけど、えっとね……」

ほむら「…………」

 ほむらはますます感情の抜けた顔になって、横を向く。

まどか「ごめんなさい。その……わたし達どこかで、会った事あるのかな?」

ほむら「無いわ」

 もう一度、まどかの方を向いて切り出す。

ほむら「まどか、あなたにとって一番大切なものは何? 家族? それとも友達かしら」

まどか「え……えっと、わたしは……大切だよ。家族も、友達の皆も。
    大好きで、とっても大事な人達だよ」

ほむら「そうじゃなくて。ひとつだけ、一番大切なものは何かを聞いているのよ」

まどか「ええ……? そんなの、選べないよ。パパもママも、友達も、みんな大事だと思う」

ほむら「もしも、あなたにとって全ての人が同じように大事で、
    何も選べないのだとしたら、それは誰も大事にしてないのと同じよ。
    よく考えておくことね。それが正しくても、間違っていても、
    あなたにもいつか、選ぶ時が来るかもしれない」


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