過去ログ - 無垢「フィオナの森は、俺が守る」
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44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/16(木) 22:33:12.45 ID:8K8JjamC0
ビーストフォークら獣人が集うフィオナの森の広場が静まりかえった。
重くも静かな足音が地震のそれとは違う微かな揺れを大地に与え、集いし者は彼の近づきに息をのんだ。
フィオナ「……」
フィオナの森の主にして、全ての住人の長。フィオナ。
彼は巨大な身体と美しい大きな角を備えた、誰もが認める森の長である。
夜の中で薄く緑に輝くフィオナが広場の中央に歩んでくると、それを囲う形となったビーストフォークたちは慌てて片膝をついて頭をさげる。
戦斧「……」
その中には猿人の姿もあった。
フィオナ「…巨大な、災厄である」
低い声でそう零すと、ビーストフォークは静かに、しかし騒然という感じでざわめいた。フィオナの口から最初に出た言葉は当然であるとも言えるのだが、場に危機感を走らせる。
フィオナ「森も山も大きな被害を受けた……家族を失った者も多い、これは…かつてない災厄である」
「長!これは、これは一体何なのですか!?」
ビーストフォークの群れの中から野太い声が頭を出した。
フィオナ「銀の拳(シルバーフィスト)…我にもまだ、この災害の全容を掴み切れておらなんだ」
消極的な答えが戻って来ると、銀の拳と呼ばれた大柄の獣人はがくりと地にうなだれた。
フィオナ「銀の拳よ、勇気あるビーストフォークを束ねる銀髪団(ぎんぱつだん)のリーダーであるおぬしに命ずる」
銀の拳「はっ!長!」
フィオナ「団の規模を拡大し、行方の知れぬ皆の家族を捜すのだ…まだ生きている者も多かろう、ただちに」
銀の拳「は!この拳に誓って!」
彼が拳を掲げると、周囲にいたビーストフォーク達も遅れて腕を掲げて咆哮をあげた。
戦斧「ぉおおおおおっ!」
そこにも、猿人は含まれていた。
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