過去ログ - 無垢「フィオナの森は、俺が守る」
1- 20
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/17(金) 22:13:35.71 ID:5lIUvnCM0
各文明は大爆発による甚大な損害を受けたが、各々は自身の文明の復興に臨んでいた。

自然文明は破壊された地形を住みやすいように整え、水文明はリヴァイアサンの背から海底へと住処を移す計画を進め、火文明は火山活動が活発になってもお祭り騒ぎ程度にしかなっていないらしく気にしていないようである。

衝撃波により“天空の塔”のいくつかが倒壊し海上へ撃沈した光文明も、塔の住人の死を悼みながらもその深刻さはあくまで低く見積もり、特に気にする事も無く過ごしていた。


ところが闇文明だけは、そう安息の日々を送っていられなかった。

地下は1年が過ぎたこの時となっても依然とした荒廃に包まれていたのだ。


落盤が起こるたびに地底の瘴気が舞い上がってしまうため、人型の住人にとっては危険極まりない地域が増え、死ぬことのないリビングデッドさえも度々見舞われる災害に苦痛を味わうため、いっそのこと楽になれないことが彼らをより苦しめた。

闇の住人達は時を経るにつれて安息を求めて凶暴性を増し、闇の支配者ダークロードですらもその勢いには手を焼いているほどだ。



バラガ「我々の地区はもう限界です、痛みを恐れ、安定した住処を奪い合う同種族の共食いが横行しています」

漆黒の鎧に包まれた剣士は静かに告げた。


シルフィ「わらわとしては弱きものを振るいにかける意味でこれを見過ごしてもよい…しかし、強き者まで苦しむ現状は解決したいものと思うておる」

剣士の隣で椅子に腰かけた角を生やした女性が目を細める。


ユリア「それぞれの区画を再び復旧する必要があるということかしらね?」

邪妃「……」

退屈そうに会議に参加しているユリアの隣では、仮面をつけた女性のダークロードが沈黙を固めていた。


ユリア「と、言っておいてなんだけど、復旧しても既に地下は地獄…また再び余震が襲えば、いくら直し続けても崩れる」

シルフィ「領土争いでもするか?わらわは構わぬ」

バラガ「姫!お戯れを…」

ユリア「あら?良い度胸ですわね、妖姫シルフィ…この皇女ユリアに宣戦布告ですか?」

魔将「ユリア様…」

邪妃「見苦しいぞ」


仮面のダークロードの一言で、剣呑はその場で息を止めた。


邪妃「我々が地底で死の無い兵を争わせたところで延々と千日手を繰り返すばかりだ、その様を思い浮かべてみろ、全くもって見苦しい光景だ」

ユリア「でしたら、邪妃グレゴリア…何か闇の民を救う良い手だてをご存じで?」

邪妃「あるとも」

ユリア「……へえ」

シルフィ「ほう」

邪妃「我々闇が地獄を嫌うならば、地上を闇の住処に変えれば良い」

魔将「…!」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/648.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice