過去ログ - 無垢「フィオナの森は、俺が守る」
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832:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:03:45.75 ID:UiLg88LJ0

ギリアム「契約は履行され、邪獄を組む従属の戒めは解き放たれた」

邪妃「――!!」


デーモンから黒い突風が吹き抜けてゆく。

ギリアムの黒い鎧が砕けた、その隙間から魔力が漏れているのだと、グレゴリアは直感的に解った。


ギリアム「古に堅く封じられた我が“魂”は開放され、自由なものとなる」

邪妃「何だこの魔力は!お前は一体、何者だ……!」

ギリアム「ブラック・モナークに封じられた私の魂をお前が解き放った、礼を言おう」

邪妃「モナークが封じた……!?」

ギリアム「後の儀式はこの“邪獄”が形を亡くす前に執り行う、問題ない……あとはそこで見ているが良い、人間よ」

邪妃「……!」


激しく渦巻いていた黒い煤が、不吉な竜巻となって空へ登る。

天高くへ昇った煤は青空を蝕むように暗雲を形成し、広がる黒は闇夜を作り出す。



フィオナ「……! いかん!」



翳ってゆく森を見たフィオナは傍観をやめ、崖から身を投げるようにして飛び出すと、一目散に闇の本陣へ駆け出した。

目指すは、妖しく輝く杖を掲げたギリアム。


姿勢を低くし、角で前面を覆い隠す。

木々の小枝を撥ねながらの全力疾走の目的はただひとつ。


術を展開している最中のギリアムを、術が完成するまでに、なんとしてでも殺さなくてはならない。



フィオナ(取り返しがつかなくなる前に……!)



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