過去ログ - 無垢「フィオナの森は、俺が守る」
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912:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/20(水) 23:39:40.41 ID:+i6W4Fwn0

夜のゴーストは、生者に干渉する力を持つ。

物を動かす、取り憑く。霊魂は様々なことをできるようで、影響力は極々小さい。


強い怨念があったとしても、せいぜい軋むような音を鳴らしたりだとか、不穏な気配を悟らせたりだとかが精々といったところだろう。


が、シャドウ・ムーンがつくる月明かりに姿を暴かれた怨霊たちは、全く違った。

邪悪なマナを帯びる月の光は、霊魂の存在を高め、よりこの次元に近い怪物へと成し上げられたのだ。



『ウワァアア!ァアァアアア!』


咽び、叫び、大きな口をあけて、煙がホーンビーストを一呑みにする。

餓えた煙が通り過ぎた後には、生臭く白骨化した亡骸が残るのみ。


殺せず、貪欲に襲い来る煙の亡者達に、ロングホーンは成す術もなかった。


それでも敵が構える前へ、前へひた走る。



ムーン『……こいつら、死を恐れていない』


ムーンライトが、溜まらず空中へと飛び退いた。

月を抱えて上空へ浮き上がれば、真下を生き残ったロングホーン達が続々と通過してゆく。


悪霊の攻撃が効いていないわけではない。

どちらかといえば無防備に、受けるがままに、食われるがままにといった戦況が、所々では広がっている。


ただ、敵の陣形が想像以上に堅く保たれたまま、崩れていない。

多少なれ左右へ広がり、閑散となってもいいものだというのに。



三角「安らぐべき死者の魂すらも操り、苦し続けるとは。許せん」

ムーン『!』


助走をつけたホーンビーストの大跳躍。

目立つ橙の体毛を風圧に流し、トライホーンの鋭い角がムーンライトへ襲い掛かる。



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