過去ログ - 無垢「フィオナの森は、俺が守る」
↓ 1- 覧 板 20
961:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 21:55:24.02 ID:VUG34GDN0
銀の兜の首元からは、黒い煙が濛々と零れている。
それは、ザガーンの余命が少ないことを解りやすく表していた。
ふたつ「4本のグローリーソードがデーモンソードを断った。それだけの話だ」
ザガーン「デーモンソードは……」
ふたつ「まだ解らぬか、それでも武人か」
ふたつ「業(ワザ)だ。確かに闇雲に打ち合うだけでは、あの鋼剣には勝てぬだろう」
ふたつ「だが、全ての刀を刃の同じ場所に当て続ければ、話は別だ」
ザガーン「……!」
ふたつ「剣の力に溺れ、小さな刃こぼれに気付かぬまま業を見失った貴様に、最初から勝機など無かったのだ」
デュアルファングは戦闘の際、振るわれるデーモン・ソードの常に同じ刃を受け止め続けていた。
何ミリもズレの無い箇所とはいえ、受ける前提で受けるのであればそう難しくはなかった。
彼は、ザガーンが知らぬ間に刃こぼれを生み出していたのだ。
ザガーン「……ふん、完敗か……冥界にて、出直しだ」
ふたつ「我が刃を四本以上砕いてみせたのは、貴様が初めてだ。誇れ」
ザガーン「ぬかせ、次は葬ってやる」
そう言って、ザガーンの骸は細かな塵となって消え去った。
ふたつ「……まさか、三本も折られるとは」
フィオナ「危うかったか」
ふたつ「ええ、実のところかなり……」
暗い夜空の下を、ジャイアントビートルの群れが過ぎ去ってゆく。
大きな翅らが生み出す風圧は葉を揺らし、森をざわめかせた。
フィオナ「……我々も、ゆくぞ。イノセントハンターを護るのだ」
ふたつ「御意」
1002Res/648.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。