11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 19:58:35.36 ID:vr2e7Tnk0
ショックで呼吸困難になったのか苦しそうに喘いでいる律を尻目に、怪物は梓に向かってジリジリと歩み寄ってくる。
梓「どうしよう……先輩、どうしたら……」
梓は泣きそうになるのをぐっと堪えて活路を探したが、一本道の路上で眼前の化け物から逃れる術は無いように思われた。
律「梓、ベ、ベルトを……」
律が咳き込みながら掠れた声でそう言った。使えという事だろう。
梓は律の言いたい事を汲み取ると、バッグからファイズギアを取り出した。
こんな玩具でなんとかなるのか、いや、こんな怪物が現れたのだ、もはやこのアイテムの信憑性を疑うのは愚か者のすることだろう。
そう結論付けた梓は、急いでケースからファイズドライバー(ベルト)を取り出して腰に巻き、次いでファイズフォンを取り出した。
二つ折り式のケータイ型デバイス、ファイズフォンを開き、震える手で一つずつ確実にキーを押す。
5、5、5、ENTER。
『STANDING BY...』
電子音声の後、待機音を鳴らし始めたファイズフォンをベルトに装填する。手が震えて何度か失敗したが、なんとか装填することが出来た。
するとベルトから赤い光が伸び……
『ERROR!』
梓「えっ!?」
突然、ベルトから電流のような何かが迸しり、梓を後方へ吹き飛ばした。
梓「きゃあっ!?」
ベルトは梓の腰から外れ、虚空へと放り出される。
苺「やはり普通の人間ごときには、ファイズの力は引き出せないようね」
怪物は醜悪に口元を歪め嘲笑を放った。
どうやら最初からこうなる事が分かって、敢えて梓の挙動を見守っていたらしい。
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