11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 19:58:35.36 ID:vr2e7Tnk0
ショックで呼吸困難になったのか苦しそうに喘いでいる律を尻目に、怪物は梓に向かってジリジリと歩み寄ってくる。
梓「どうしよう……先輩、どうしたら……」
梓は泣きそうになるのをぐっと堪えて活路を探したが、一本道の路上で眼前の化け物から逃れる術は無いように思われた。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:00:48.91 ID:vr2e7Tnk0
苺「素直にベルトを寄越せば、助けてあげるつもりだったけど、駄目ね。
あなた達には死んでもらうわ」
苺はベルトをまたぎ、倒れた梓に手を伸ばした。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:04:14.76 ID:vr2e7Tnk0
律「梓は……私が守る!!」
苺「笑わせるね、今からあなたも死ぬのに」
怪物は嘲りを滲ませた声で律に歩み寄る。
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2011/06/13(月) 20:11:22.94 ID:vr2e7Tnk0
既に日は沈み、辺りは夕闇に包まれていた。
赤いラインを輝かせながら、モノクロの怪人と戦う律。
律は初めてファイズに変身したとは思えない程戦い慣れしていて、戦況は律が一方的に苺を叩きのめしているような状況だ。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:15:46.37 ID:vr2e7Tnk0
苺「分かってくれてありがとう、律。
分かってたよ、律は優しいもんね」
嬉しそうにそう言う苺を、しかし何も言わずじっと見つめる律。
仮面越しに向けられる視線をどう感じたのか、苺はさらに律と距離を取った。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:18:30.89 ID:vr2e7Tnk0
梓は目を疑った。
目の前で、怪物がファイズに変身したのだから。
苺「あれ?後輩ちゃんさあ、もしかしてファイズが正義のヒーローか何かだとか思ってた?」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:24:54.44 ID:vr2e7Tnk0
悲しそうな笑みを浮かべる律は、そう言って梓の頭を撫でた。
しかし、梓は首をゆっくりと横に振り、唇を開いた。
梓「すいません律先輩。折角護ろうとして貰ったのに、私さっきから足に力が入らなくて……立てそうにないです」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:40:50.63 ID:vr2e7Tnk0
苺「……はぇ?」
いつまでも来ない衝撃の中、気の抜けた声を聞いて梓は目を開け、驚愕する。律の肩越しに見えた光景、苺の装着したファイズが、黄色い刃に胸を貫かれている所だった。
苺「えっ?何これ……えっ?」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:43:06.63 ID:vr2e7Tnk0
?「澪ちゃん、やっぱりあなたがカイザだったようね。申し訳ないけど、オルフェノクは全て灰に還さなきゃいけないのよ」
白黒のファイズが発したその声にも聞き覚えがあったが、今の梓には思考する余裕が残されていなかった。
澪は一瞬表情を曇らせると、紫のファイズフォンを構えた。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:46:37.72 ID:vr2e7Tnk0
あれから数日が経った。
あの日、疲労しきって起き上がれなかった二人は偶然通り掛かった女性の通報によって病院に送られ、そのまま検査入院という形で今日まで入院していたのだ。
そして今日は退院の日。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2011/06/13(月) 20:51:18.45 ID:vr2e7Tnk0
翌日、梓は久しぶりに見た校門前で一つ深呼吸し、教室へ向かった。
憂「梓ちゃん!良かったあ、また一緒に過ごせて、良かったよぉ……」
純「へっ、どーせただのサボりだろうと思ってたよ!」
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