78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/18(土) 01:39:19.53 ID:VCCMkA5A0
緊迫した雰囲気で彼女が取りだしたのは、一枚の小さな紙だった。
滝壺「これ、何かわかるよね?」
垣根「!?」
垣根の目が大きく見開かれる。
滝壺が手に持っている紙は人によってはゴミになるが、一部の人にとっては宝物になる紙だった。
そして垣根は後者に当てはまる。
滝壺が持っている物は正確には紙ではなく、栞だった。
栞には赤いリボンが付いている。
表面にはチューリップが描かれていた。
チューリップの隣には可愛らしいフォントでこう書かれている。
“豊崎愛生のおかえりラジオ”
それはラジオでお便りを採用された者だけに送られる栄光の証だった。
栞を手放すのは少し寂しいけれど、守りたいものがあるのだ。
大切な物を失ったとしても、好きな人は助けて見せる。
自分も絶対に生き延びる。
そして、この想いを彼に伝えたい。
強い決心を胸に垣根を見据えた。
その目には迷いも恐怖もない。
恋する乙女は、強いのだ。
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