過去ログ - ほむら「ガングリフォン?」
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36:1 第二話は>>23から[saga]
2011/06/16(木) 19:30:15.18 ID:Wc7Yf/rR0
 テントの外に人の影が見える。

「あの、良かったら食べ物をいかがですか?」

 テントの入り口には、私と同じくらいの年齢の少女。
彼女は手に鍋を持ち、彼女の母親と共にテントからテントへと
作ったスープを配っているようであった。

「ありがとう。でも今は食欲がないの」

「そうですか。無理をなさらないで下さいね」

 鍋を持ったまま、残念そうな表情で行こうとする彼女。
そんな彼女に、どうしても伝えたかった。
だから、私は声をかける。

「待って」

「はい?」

「その・・・この街はきっとこれから、もっと大きな戦闘に巻き込まれるわ。
今のうちに、逃げた方がいいわよ」

「この街は、私達の街なんです」

 じっと私の目を見据える少女。その目から、
彼女の意思は痛いほど私に伝わってきた。

「時間を無駄にさせたわね。ごめんなさい」

「いいえ。気遣ってくれて、ありがとう」



 こんな戦争はいつ終わるのだろう。

 私は誰にも気づかれないよう声を殺し、
自分の意思では抑えきれない涙をこぼしていた。



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