43:1 第三話は>>43から[saga]
2011/06/17(金) 19:12:51.25 ID:D3gV3+u70
−−− 暁美ほむらの手記より −−−
私は生まれ変わりたかった。
生まれつき病弱な私は、14年の人生の大半を病院のベッドの上で
過ごしてきていた。病状が和らいでいる期間だけは学校に行けたものの
私は勉強も出来なければ運動も出来ず、友人を作る事さえ私には出来なかった。
私の知っている世界は、そのほとんどが病室の世界だったからだ。
だから、私は憧れていた。
テレビや新聞でよく取り上げられている、奇跡を生み出す”魔法少女”に。
私の前に現われたその白い姿を見た時、私は嬉しさと感動に泣いていた。
愚かな私は、その契約がどのような物なのかを聞く事すらせず、
二つ返事で契約を交わしてしまっていたのだ。
ほどなくして、私は魔法少女の運命を知る事になる。
私達は魔女と戦う存在だという事を知りながらも、国家によって周知されている
その魔女退治の仕事は、ほとんどが各国の軍隊によって行われていたのだ。
それはすなわち、失われた魔力の回復のために使われるグリーフシードが、
国家の管理化に置かれている事を意味する。
日が経つにつれ、衰えていく私の魔力。それに伴い、衰弱していく私の体。
魔法少女になりながらも、再び病院のベッドの上に戻ってしまった私の元に、
一人の軍人が現われ、そして教えてくれたのだ。
魔力が全て失われれば、魔法少女は死んでしまう事を。
彼は私をスカウトするために、この病室に来ていた。
この日本に生まれ育った私が、日本の自衛隊にスカウトされる事は
私にとっても幸運な事だ、とその軍人が言っていたのを覚えている。
自衛隊の定員は、偶然にも私がこのような状況に置かれていた時に
1名の欠員を出していたのだ。
そんな事情も、私には関係がない事と思っていた。
その当時の私には、選択の余地などはなかったのだ。
私達、魔法少女の存在すらも、それぞれの国家の管理化に置かれていたのだ。
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