過去ログ - 上条「学園都市? なんで俺がそんなところに?」
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43:第一章『交差する若者達』5−5/5[sage saga]
2011/06/18(土) 09:50:08.67 ID:cu4HEccu0


 十秒にも満たない間の出来事だった。
 あまりにも鮮やかな一連の流れに、一方通行と美琴は呆然とする。

「胸骨、頸椎、みぞおち、こめかみ。どれもこれも反則技じゃねェか」
 ルール無用な路地裏喧嘩とはいえ、いくらなんでもこれはない。
「いや、これでも手加減したのですよー? 普段だったら肘で横から胸骨破壊してこめかみキックとか、掌底で顎押してみたりとか、みぞおちひざ蹴りの後にすかさず――」
「それ以上言うな。オマエに対するイメージが崩れそうだ」
「心配して損したわ……アンタふつーにめちゃくちゃ強いじゃない。一体どこで鍛えたのよ」

「ここ最近はね……魔術結社の方たちもフツーにナイフとか銃とか装備してたからね……」

『必要悪の教会』には、どんな魔術も瞬時に打ち消す魔術師がいる――。
 そんな噂ばかり広がり、ここ数年は武装魔術師が一結社に何人もいる、という状況になってしまった。
 そのせいで、切り札である上条には武装魔術師と相対するだけのスキルが求められるようになり……
 その結果体得したのが、先ほど披露した『殺人技』の数々である。
 殺人技と言っても、『死ぬほど痛いダメージを負わせる』だけで済ませてきたのだが。

「魔術結社ァ?」
「いや、なんでもありませんのことよー?
 イギリスは治安が悪いから、神父さんの薦めで護身術をちょっとやってただけですたい。
 もともと『先生』に喧嘩方法を教わってたから、ちょっと反則技の連続になっちゃうだけで!」
「どんな『先生』よ……」

 呆れたような美琴の呟きに、上条は苦笑を浮かべる。

 とことん強かった『先生』は、三年前からプツリと姿を見せなくなった。
『先生』の友人を名乗る男曰く、死んだわけではなく、どこかへ旅立ったらしい。
 まあそうだろうな、と上条は思った。『先生』が誰かに殺されるわけがない。
 苦い思い出を振り切るように、上条はポケットから携帯電話をとりだした。

「さて、やりすぎちまったし、早く救急車呼ばないとな! えーと日本だと救急って199だっけ?」
「119だ、クソッタレ」
「……まずは学園都市での常識ね」






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