29: ◆F/bQYgopwk[sage]
2011/06/18(土) 12:33:29.99 ID:EUAJ2zTr0
「御坂美琴及び一〇七七七号の回収、終わりました」
「―――くれぐれも丁重に扱え。御坂美琴は学園都市の表看板だからな」
「はい」
「常盤台への報告は済んだ。御坂美琴への説明は頼んだぞ」
「了解しました」
―――――
(…半信半疑だったけど、どうやら本当にお咎め無しみたいね)
第二三区の地下数百メートルにある港から幾重ものセキュリティ・ゲートを抜け、国際空港ターミナルビルの非常用ゲートから学園都市に戻ってきた美琴は、一〇七七七号と共に統括理事会の用意した車で第七学区にある病院へと移動させられた。
美琴は帰国後の身体検査という名目だが、実際は一〇七七七号を預けるために病院へ来たというのが正しいだろう。
「ではお姉様。ミサカはこれで失礼いたします。お姉様と過ごせて、ミサカはとても嬉しかったです」
「あー、アンタには色々やらせちゃったわね。助かったわ」
「いえ、お姉様のお役に立てて、ミサカは胸を張って他の妹達に自慢をすることができます」
「ならよかった。また今度、…みんなで会いましょう」
「はい。お姉様」ニコ
一〇七七七号と別れて病院の外に出る。普段ならまだ授業を受けている時間にこのような場所にいるのはなんとなく変な気分だった。
(とりあえず寮に戻ろう。少しだけ眠って、それから…)
携帯電話を取り出し、切ってあった電源を入れ、フォトフォルダ内にある隠しフォルダを開いてその中にあった一枚だけの写真を見る。
ぎこちない笑顔の少年と、肩を抱かれて戸惑った表情の美琴のツーショット写真。
少しだけ口元を綻ばせ、美琴は小さく溜息をついた。
―――会いたい。
ねえ、アンタは今、どこにいるの?
―――――
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