220:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/07/31(日) 21:40:30.34 ID:PincXEguo
「俺の会社で開発した、新しい医療技術なら君の腕を治せるかもしれない」
「…本当ですか?」
恭介が太牙に聞く。
「可能性はある。君の両親にも許可は貰ってある。まあ、ゆっくり考えてくれ、明日また来る」
そう言って、部屋をでる太牙。
一人部屋に取り残された恭介は、医者に頼みこみ、面会をすべて断ってもらい、
太牙の言っていたことを考えていた。
「もう一度、バイオリンが弾けるように…」
目を瞑り、自分がホールで演奏している姿を思い浮かべる。
観客席は大勢の人で埋め尽くされている。
一番前の席には両親やさやかの姿が浮かぶ。
「さやか…?」
目の前に幼馴染の姿が浮かぶ。
思えば、いつも自分を見ていてくれた者の一人だった。
もう一度、彼女に笑ってもらいたい。
そう思うと、こんなところで悩んでなどいられない。
上条恭介は、もう一度バイオリンを弾くために、さやかの笑顔を作るために決意した。
彼自身気づいてないが、美樹さやかに対する恋だった。
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