338:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/08/21(日) 21:38:37.67 ID:4ELXsci5o
「あたし達家族は食い物にも事欠く始末だった」
「納得いかなかったよ。親父は間違ったことは言ってなかった」
自分が一番近くに居た身だ。それぐらいのことは簡単に分かった。
「5分でもいい。ちゃんと話を聞いてもらえれば誰にでも分かったはずなんだ」
「なのに…誰も相手をしてくれなかった…」
「難しいよね、人間って。ちょっとの話の行き違いでその人を取り巻く環境が大きく変わっちゃう。
輪が乱れれば、必ずそれを排除する」
五代は世界の色々な場所を旅してきた。
もちろん、宗教上の見解の違いから、同じ国同士で戦争を起こしている国にも行った。
杏子の家族はそれの規模を小さくしたものだった。
「五代は分かってるなぁ…流石、世界を旅してることだけある」
「悲しいことだよね。何かを攻撃することでしか、自分の意見を主張できないなんて」
五代自身、グロンギとは殴り合い、殺しあった相手だ。
暴力が意味を持たないことはあの戦いで嫌というほど思った。
「綺麗事ね…」
ほむらが五代の言うことに言った。
「そうだよ、綺麗事だよ。でもだからこそ、現実にしたいじゃない。
だってほんとは皆、綺麗事が一番いいんだもの」
かつて朝比奈奈々に言ったことを繰り返す。
朝比奈奈々はその後無事友人と和解することができた。
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