96:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:06:17.17 ID:NYz2bdO/o
「俺のコントロールは完璧だって」
俺は笑いながら茶葉が入ったポットを眺める
うむ、いい感じに開いている
やはり水は軟水だな
「綺麗ですねえ…」
「ここでアリサの方が綺麗だよと言えば高得点に…」
「なりません」
ぴしゃりと言われ、肩を竦める
「ま、どっちかというと可愛いんだけどね」
「もう…そういうこと軽々しく言ってると、いざって時に本気だって思ってもらえませんよ?」
アリサが呆れたように溜息をつきながら言う
「何言ってるんだよ、俺はアリサ一筋だからな」
「はいはいそうですか、良かったですね」
気のない返事に聞こえるが、アリサの頬が染まっていることを俺は見逃さなかった
こういう反応を見ていると本当に可愛くてついニヤニヤしてしまう
「な、何ニヤついてるんですか…気持ち悪い」
「なんでもないよ」
俺はニヤけながら紅茶のポットを持ち上げる
「そろそろ良いみたいだ、淹れるぞ」
「あ、はい」
ポットから茶葉と共に琥珀色の紅茶が注がれる
「いい匂いですね…」
アリサは目を閉じて香りを楽しんでいる
こうしているとお嬢様みたいだな
「それじゃあ…ごちそうになりますね」
「ああ、感想も聞かせてくれ」
アリサは俺に一言断り、ホットケーキにバターとハチミツを塗って一切れ口にする
そんな動作も一々様になっている
もしかしたら本当にお嬢様だったのかもしれないな
そして紅茶をすすり、溜息をつく
「ん?気に入らなかったか?」
俺は少し心配になりアリサの顔色をうかがう
「いえ、紅茶とも良く合ってます、これは感嘆のため息ってやつですよ」
アリサは優しい笑顔を浮かべながらまた一口食べる
アリサにこうやってお菓子をふるまうことは少なくない
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