過去ログ - 紬「ね、私を連れ出して?それで一緒に踊るの」
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2011/06/25(土) 01:11:27.16 ID:IDuT0c1r0
さわ子さんは、私がそんな風に考えているのを知ってか知らずか、スコーンを三つほど、ビックリするようなスピードで平らげる。
さわ子「あー、美味しかったわ。それに紅茶もね。久し振りに入れて貰ったムギちゃんの紅茶、やっぱり最高だったなぁ」
紬「お粗末さまでした」
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2011/06/25(土) 01:13:51.14 ID:IDuT0c1r0
ムギ「はい…、何で…、しょう…?」
さわ子「ここには一人で?」
ムギ「ええ、今は」
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2011/06/25(土) 01:15:08.87 ID:IDuT0c1r0
そう、ルームシェアをしていただけですもの。
さわ子さんは、フッとと真顔に戻って言葉を続ける。
さわ子「ねえ、この部屋って…」
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2011/06/25(土) 01:20:48.87 ID:IDuT0c1r0
・・・
私の同性愛者としての人生は、今から遡ること十年ほど前、周囲のストレートな人間達が異性に興味を持つのと同じ頃にスタートしている。
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2011/06/25(土) 01:38:10.72 ID:IDuT0c1r0
確か、それは新緑の季節、五月の放課後の事だったと記憶している。
私は頭の中で何度も描いたファンタジーを現実のものをとすべく、行動を開始した。
紬「ねえ、○○さん」
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2011/06/25(土) 04:09:23.43 ID:IDuT0c1r0
同「い、い、いないですよ!?な、な…、急にそんなこと…」
紬「そう…。○○さんてクラスの周りの方より大人びて見えたから…、その、ごめんなさいね」
同「い、いえ、構わないです。あ、あの…」
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2011/06/25(土) 04:16:37.97 ID:IDuT0c1r0
その娘は図書部に属していて、あまり恋愛などに積極的な娘には見えなかったけれども、その娘が休み時間でさえ惜しいと言う様子で開いていたのは、古典的で現在はその価値の何割かを失っているし、表面的にはそう見えないかも知れないが、紛れも無く『恋愛小説』ばかりだった。
私のその一歩は、その娘がそう言う事に興味を持っていて、尚且つそこにファンタジーを抱いている事を事前に知った上で慎重に選ばれたものだった。
そして、私はその娘と次第に打ち解けるようになり、その最初のステップから二ヶ月程経った時、単刀直入にキスしないか、と誘いを掛けた。
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2011/06/25(土) 04:17:19.40 ID:IDuT0c1r0
でも、(もちろん、これも今の私から見ればだが)当時の私は未だ幼く、そう言う場での「クィア」としての口説き方などと言うものを良く知らなかったのだ。
私が知っていたのは、自分自身がその時何を欲しているかと言う事だけであり、それを同性相手にしたがっていると言う事だけであった。
だから、私は単刀直入に、直裁的に、直感に従ってありのままの言葉で尋ねた。
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2011/06/25(土) 04:27:44.12 ID:IDuT0c1r0
・・・
私達のキスはおおよそ三分間にも及び、その間私達は抱き合い、制服越しにお互いの体温を感じ合った。
空調の効いた図書室とは言え、西日の差し込む窓際でのその行為は、私達を激しく汗ばませ、そしてその仄かに立ち上る汗の匂いがまた私達をより高ぶらせ、私はすぐに二度目のキスをせがむ事となった。
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2011/06/25(土) 09:23:04.09 ID:IDuT0c1r0
・・・
一般的な話をすれば、自分のセクシャリティを積極的に公表する人と言うのは、今この時代でも尚稀な事だと思う。
それが、セクシャルマイノリティに属するようなものであれば尚更の事で、表面的には無いものとして扱われている。
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2011/06/25(土) 09:32:22.99 ID:IDuT0c1r0
その理由の一つとして、私が当時通っていたのが、上流階級の子弟ばかりを集めた女子高と言う事にある。
それぐらいの年齢で、かつ同性のみによって構成される社会では、同性相手に擬似的な恋愛感情を持つと言うのは決して珍しい話では無い。
その仕組みに関して説明するならこのような形になると思う。
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