過去ログ - 陽太郎「天使家姉妹１９人でカラオケ！？」 -SS速報VIP

過去ログ - 陽太郎「天使家姉妹１９人でカラオケ！？」

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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[saga]
2011/06/25(土) 19:05:41.45 ID:NWcbvnHH0

氷柱「邪魔よ、邪魔、この下僕！　さっさとリモコンよこしなさいよ！」

　げしっ、げしっ、と陽太郎と蹴りまくって六女で気の強い氷柱がリモコンを奪っていった。
　戻っていった先には十三女の綿雪がいて、二人はいっしょに歌うのだろう曲を探し始めた。

　その一角には騒がしいのが苦手な九女の麗、十二女の吹雪もいて、八女の小雨がかしましい前線グループとの緩衝材になっている。

ヒカル「とりあえず、座ったらどうだ？」

　唖然としていた陽太郎をつついた四女のヒカルが自分の隣りを勧めたので、おとなしく従う。

陽太郎「みんな……好きなんだね、歌うのが」

ヒカル「フフッ、そうだな。それでも全員集まってっていうのは稀なんだぞ」

　運動全般が得意でさっぱりした性格のヒカルはいつも飲む天使家特製スポーツドリンクを口に含む。

ヒカル「なんていったって〝お兄ちゃんと一緒〟のカラオケ大会だからな。氷柱と麗まで楽しそうにしてるじゃないか」

　えぇ、あれが……？　あらためて見ると、タッチパネルを操作している麗の表情はたしかにいつもよりは楽しそうだ。

　と、陽太郎の前にマイクが突き出された。

氷柱「喜びなさい、下僕。私とユキのデュエットに混ざることを特別に許可してあげるわ」

陽太郎「え、えぇ！」

　いきなり、そんなことを言われても！

　ただ、ちょっとの困り顔の綿雪の目は陽太郎を信じて疑わないでにっこり笑ってる。

　小さなときから病気がちでようやく安心して家で生活できるようになった綿雪。
　その期待を裏切ってしまうわけにはいかない。

陽太郎「うん、わかったよ」

　どうか、知ってる曲でありますように――

　www.youtube.com

氷柱・綿雪「「まーがりーくねったー♪」」

　よかった。知ってる曲だ。
　コブクロと絢香の『WINDING ROAD』

　中学の昼休みとかにしょっちゅう放送されていたなと思いながら、低音のパートを思い出し、思い出しで歌う。
　陽太郎が同級生と走り回っていた間にも、綿雪は病気と闘っていたんだよな――
　きっと、氷柱が持ってくるいろんな歌をいっしょに聴いていたとかな――

　そう思うと、手に汗がにじんで逃がさないようにと握って、綿雪といっしょに歌ってやらないとってなる。
　隣りでフフンと氷柱が満足げに微笑んでいる。

　やればできるじゃないとばかりに――

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