過去ログ - とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)
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131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/26(日) 13:56:18.15 ID:iNmol0qk0
律たち三人が部屋の扉を開けると、中にはうつむいている梓と、彼女を抱きしめている唯の姿があった。

「……梓、聞いてくれ。唯もだ」

「りっちゃん……」

唯が不安そうな目で律を見る。

「梓、見てなんとなく分かったと思うが、あたしらはこういう組織だ。……人殺しだ。
ま、好きでやってるわけじゃないけどな」

梓はうつむいたまま答えない。

「そんで、お前はさっきの奴らにつけられてたみたいで、顔も割れているらしい。
たとえ今日のことをきれいさっぱり忘れて元の生活に戻ったとしても、ずっと奴らに狙われ続けることになる。
だから、お前は今日からあたしたちが保護する、というか……仲間になってもらうしかないんだ」

「そんな、りっちゃん!! 他に方法はないの!?」

一般人からの暗部堕ちという悲劇を二度と繰り返したくない。その思いから、唯が必死に反論する。
しかし、他にいい方法は思い浮かばなかった。

「すまん、梓、唯……わかってくれ」

「うう……そんな……!! ごめんね、梓ちゃん、ごめんね……!!」

唯は泣きながら、梓をさらに強く抱きしめる。
すると、梓がついに口を開いた。

「……いいんです」

「「……え?」」

梓の言葉は、意外なものだった。

「いいんです。どうせ私には、放課後ティータイムしかなかったんですから。憧れの放課後ティータイムに入れて、むしろ嬉しいですよ。
……ああ、そうだ。さっき私は、あの組織に襲われて死んだんですよ。死んだはずの人間が、こうやって新しい命を与えられて、
しかも好きなバンドをやって過ごせるんですよ? あは、そう考えたら、なんか楽になってきました。
むしろ私、幸せ者じゃないですか。あは、あははは――」

梓の狂った笑いは、いつぞやの唯を思い起こさせる。

「梓ちゃん……泣きたかったら、泣いていいんだよ?」

「う……あ……あああぁぁぁぁぁぁ!!!」


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