過去ログ - とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)
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198:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/26(日) 15:39:10.23 ID:iNmol0qk0
紬は先ほど投げ捨てた壊れたキーボードを拾い上げると、その場に正座し、膝の上にキーボードを置く。

『――我が膝より世界の卵は零れ落ち天地を創造する』

すると、膝の上のキーボードが輝きはじめ、突如バラバラに砕け散り、破片があたりの地面に規則正しく突き刺さる。
輝きを放つ破片からは蒼いオーラが噴出し、紬の周りを覆う。

『――我が歌は万物を操る魔法となる』

紬の声が何重にも重なり、また、紬のものではない声も聴こえてくる。
聖歌のような、呪いのような、不思議な『歌』があたりに響き渡った。

「えっ、なんなのアレ? ちょっと憂、あの人能力を使えなくなったんじゃなかったの!?」

「……そのはずなんだけど。ダメ、あれもコピーできない……Mugiさんは、超能力以外の何かを操っているみたい」

超能力とは相容れない異質の存在である「魔術」。科学の結晶である超能力にはないその神秘性に、能力者である一同は直感的に気味の悪さを感じていた。

(『ワイナミョイネンの歌』は魔法の歌であらゆる現象を操る魔術。でも私の知識と信仰心じゃ単なる『歌』にしかならないわ……
ふふ、『万物を操る』とはよく言ったものね。でも、これを使えば……)

『合成魔術』の開発に力を入れていた琴吹グループは、魔術の使用に関しては本職の魔術師には劣る。しかし、紬にはある秘策があった。

(魔術的な要素を含む『歌』は、ただの音波じゃない。この『歌』を使って『合成魔術』を使えば、もっと複雑な術式を組み立てられる――
レベル4までの能力が使えるはずよ!)

これこそが、紬の作戦だった。魔術の『歌』を用いてレベル4の精神感応系能力を使用し、憂たちの記憶を消す。
そうすれば、誰も死ぬことなく任務は完了し、皆がもとの生活に戻れる。
律、澪の敗北によって一対三の状況にはなってしまったが、強化された多才能力を用いればなんとか撃退できるはず、と紬は考えていた。



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