過去ログ - パイルドライバー
1- 20
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2011/06/26(日) 15:51:24.90 ID:BD9wf7ABo
途中、駅に停まって発車するたびに紬は身体を揺らし、梓のほうを見て得意気に笑った。
降りる客はいても乗ってくる客はいなかったので、車両の中は閑散とし、目的地の二駅前ではとうとう紬と梓だけになった。
背の低い梓は吊革に掴まるだけで指先が圧迫されて白くなった。
発車の時以外はそれほど揺れないことに気付いてからは吊革に頼らずに立ち、カーブの時にはバランスをとりながら少しよろめいた。
その様子を見た紬も吊革を離し、同じようにして楽しみ始めた。
なんとなく座るタイミングを逃した二人は、そのまま立ち続けた。。

窓ガラス越しに見える広葉樹の緑の葉々が日射しを飲み込む。
電車が呑気な走り方をしているせいで風にそよぐ様もはっきり見えた。
山の中にゆっくりと電車は潜り、少しの間二人は風景の変化を眺めた。

山を抜けてしばらくして、目的の駅に着いた。
無人の改札をくぐるとロータリーの地面の照り返しが二人の目を眩ませた。
嬉しそうに顔をしかめると、紬はバッグから印刷しておいた地図を取り出して、
「こっちね」
と言って歩き始めた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
19Res/16.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice