16: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2011/06/28(火) 01:43:38.48 ID:LLBnE/Teo
「一つずつ説明していきましょうか。
まず第一に、私はあなたと同じ力……"リーディングシュタイナー"を所持しています。
この能力について、未来のあなたは面白い推論を立てました。
この能力は一種の"疾患"なのではないかと」
「疾……患……？」
「はい、元々私とあなたを除く全人類にはその疾患に対する免疫を持っている。
しかし私とあなたは何らかの理由がありその疾患に対する免疫を持っていなかった……
だから前の世界線の記憶を維持し続けているのではないのか……という推論です。
例えばあなたが能力を得たであろう瞬間、その時あなたはどのような状態でしたか？」
「能力を得た時といえば……」
俺が高熱でうなされていた時……！
「どうやら心当たりがあるようですね。そして私も恐らくあの瞬間なのだろうという目星はついています」
「疾患ということはつまり……前の世界線の記憶を持ち続けていることが問題なのではなく、この世界線での記憶がないのが問題だ。ということですか？」
「流石は岡部さんです。その通りです。本来ならば再構築されるはずの記憶が再構築されていない……そのことが問題だったのです。
記憶が再構築されないということは、別の世界線から移ってきた時、今自分がいる世界線での記憶が無いのですから周りとの齟齬が発生します。
そのことが問題なのですよ。そして……この疾患は他人にうつる可能性がある。」
「な……に……？」
他人にうつる……だと？
リーディングシュタイナーが？
つまりそれは俺以外の人物も世界線移動を認識できるようになる……と？
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