過去ログ - 下条「……はぁ、不幸だ」
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104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]
2011/07/03(日) 01:17:24.27 ID:k0lSFV9AO
「お腹が空いたってわけよ」

這いずりながらここまできたのに、誰にも声をかけられなかった。

いくら人通りが少ない廃屋の地帯だからって……こんな状態の人間を放るなんて表の人間もたかが知れるって訳だ。

「あら、フレンダじゃない?」

そこを通りかかったのは麦野。

「助かったって訳よ!!」

「ん?」

あたしは事情を話した。そして、それを麦野は全て頷きながら聞いてくれる。

「ってな訳よ!!」

「うんうん、それで?」

「えっ? だから、助けて欲しいってわけよ?」

「はぁ? なんでよ? ご主人様の話のくだりはわかったわ。あんたが何で倒れてるかも解った。けれどなんでわたしがあんたを助けなきゃならないわけ」

「そ、それは非道いってわ」

「なに言ってんのよ。それにご主人様があんたを表の人間って言ったんでしょ? なら裏のわたしが関わる訳ないじゃない。なんでリスクを増やす必要があるのよ」

リスクって、まるであたしが本当に表の人間になったとでも思っているのだろうか。

そんなことはありえない。裏の人間はいつまでもその十字架を背負わなければならないはずだ。

「じゃあ、話すのもこれで最後ね、フレンダ、達者にしなさいよ」

まるで親友に別れの挨拶をつげるような気さくさで麦野は去っていった。

「うぇっ、うぇぇん」

あたしは惨めに地面を濡らした。


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