180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]
2011/07/05(火) 00:23:55.87 ID:pj1FD/1AO
「終わったの?」
「あぁ、終わった」
俺は心理定規が待つ車のもとへ降り立つ。
「なんだか感慨深いわね」
「長かったもんな。六年、言葉にすれば二文字だ」
「でも、なんでかしらね。あなたや第一位でしか生き残れない状況だったとしてもあいつが死んでるって思えないわ」
「それが『ゲート』の強さだ、心の弱さに漬け込み屈伏させる。その『幻想』こそが奴の強さなんだよ。能力を打ち消せる右手なんざ、おまけだ」
そう奴こそが幻想だったのだ。
「そういえば美偉はどうしたの?」
「殺した」
「そう、いい子だったのにね」
少し甘っちょろいこいつの頭を撫でる。
こいつが下条のことを本気なのか賭けだった。
もし、こいつがあいつの『幻想』に憧れていただけじゃなかったのなら俺は勝てなかっただろう。
「今回は助かった、お前が俺のあいつに対する恐怖心を消してくれなかったらあそこまで綺麗に物事を運べなかった」
「あたしがあなたを裏切るなんと思わなかったの?」
車にのりこみながら、俺たちは会話する。
俺の最終的な目的地へ。
「でもな、正直、自信はなかった。あいつには人、いや、違うな。女を縛り付ける何かがある、だから俺はお前が選んでくれたのは正直嬉しい」
「呆れた、全く。そんな分の悪い賭けなんてしなくてもよかったんじゃない」
「駄目だ、あいつに対して恐怖心は最も持ってはならない。あいつはそういう負の何かで攻撃を読み取る直感みたいなものを持ってる」
まぁ、これは俺の勝手な予測なんだがな。
だから心理定規という能力が俺には必要だった。
「でもね、あたしはあいつのことが嫌いじゃなかったわ」
「そうか」
ぽんぽんと頭を撫でる。
「ぅ、うっーぅ、察しなさいよ!」
「あ?」
「だから、傷心中の乙女なのよ、察しなさいよ!」
目的地に降り立つ。
『窓の無いビル』
事前に調べた幻想殺し用の入り口から入り、この学園都市の支配者に会いに行く。
「あぁ、さつきの話なんだがな、俺は……」
「あたしはずっと前から」
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