262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]
2011/07/07(木) 04:27:55.42 ID:5sDFmUGAO
結末は誰にでもやってくる。
それはどんな物語(人生)でも一緒だ。
下条当麻の終わりはあの日『超能力者殺害事件』になるだろう。
『聞いたー? 第一位から第四位までの四人が一夜にして死んだって?』
『聞いた、聞いた。有り得ないわよね、なんでも裏の世界とか』
『なによ、それ、怖いんですけど〜』
『何でもね、下条当麻が名乗る『ゲート』と呼ばれるーー』
私は街の雑音を無視して走る。病院へ、急ぐ、急ぐ、急ぐ。
「上条当麻は何号室に移されました!?」
「あら吹寄ちゃん、彼なら○○○号室よ」
「ありがとうございます!」
走らず、それでも競歩のようなスピードで病室を目指す。
面会謝絶だった彼が今日、目が覚めたと報告があった。
「やぁ、君のおかげで一命は取り留めたよ」
「それで、当麻は!」
「非常に言いにくいんだがね」
様々な状態が頭によぎる。
「五体は義足に義手だけど思考する能力はあるし、すぐに歩けるようになるさ、けれど」
「けれど?」
「多分、本人がそう思えないんだろうね。多分、歩くことも、喋ることも、生きることも」
「どういうことですか?」
「心がね、ぐしゃぐしゃなんだよ。精神感応系の能力者ですら見ることを耐えきれず、操ることができない。正直、何があったのか、どう生きてきたのか分からないよ」
「…………先生、それでも当麻は生きているんですよね?」
「だけど、それも困難だ。なにせ、食事をしようとも拒むんだ。正直、生命だけを繋ぎとめることは可能だよ? けれどそれは生きていると言えるのかな」
「わたしに、私にさせて下さい」
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