1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:10:49.16 ID:5Ug8BclXo
勇者「王様チィーッス。勇者ですよーっと」
王様「だ、誰だ!?」
勇者「いやだから勇者だって。ほれ勇者の印」ぺかー
王様「それは確かに勇者のみが持つ……ああ、すみませぬ。あまりにもその……容姿がお変わりになってて」
勇者「あー、痩せたしね。ヒゲとかも生えてるし。何より格好がこ汚いよな。鎧とかドロドロだし臭いし」
王様「い、いえ。決してそのような……」
勇者「無理しなくてもいいって。あ、ごめんちょっと吸わせてもらっていい?」
王様「は? あ、ああ、葉巻ですか? では兵に良い物を用意させましょう」
勇者「いいっていいって。自分のあるし」
王様「そうですか。ところでその……他の皆様は?」
勇者「んー、戦士と魔法使いと僧侶の事?」
王様「はい。お仲間方はどこに?」
勇者「死んだよ。俺以外は全員」プハー
王様「え?」
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:12:13.17 ID:5Ug8BclXo
勇者「…………」スー……プハー
王様「……この度は……誠にその……」
勇者「あー、そういうのいいっていいって」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:16:48.33 ID:5Ug8BclXo
宴の場
勇者「うめえうめえうめえ」ガツガツガツガツ
姫様「まあ、勇者様は健啖ですのね」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:22:55.53 ID:5Ug8BclXo
王様「ところで勇者様、そろそろ魔王討伐までのお話などをいただければと思います」
勇者「んー、そうね。ハラも膨れたし」
王様「できれば、お仲間方の勇敢なる最後なども聞かせていただければと思います」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:32:34.79 ID:5Ug8BclXo
勇者「ははは、ないっすよねえ。下ごしらえ大変だし、大変な割には美味くもないし。何より、それは魔物だし」
勇者「えー、ですが、牛や豚や鳥や、畑で採れる野菜なんてのは人間が飼ってたり作ったりしたものでして」
勇者「そして俺や仲間は魔族が支配してた土地を冒険していたわけで」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:41:44.39 ID:5Ug8BclXo
勇者「でだ。この辺りにいる魔物、つまりはあばれイモムシとかどくウサギみたいな奴らね。あいつらは、気性が荒いとはいえ、動物とそんなに変わりません」
勇者「ですが、魔王の城に近づくにつれ、魔物ってのは変化していきます」
勇者「では王様、第二問! その変化というのは?」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:48:58.95 ID:5Ug8BclXo
勇者「じゃあ、我らが誇る仲間たちの話でもしますか」
ザワザワ
「確か戦死されたと……」
「先程の勇者様が言われたような思いをしてまで勇敢に……」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 10:55:52.74 ID:5Ug8BclXo
姫様「せ、戦士どのですか!? そんな、あの方はこの国一の怪力で、身体も心もとてもお強い方でしたのに!」
勇者「うん、そうだね。あいつは強かったよ。俺らみたいに魔法が使えないからって、いっつも真っ先に魔物に突っ込んで体を張って頑張った」
勇者「だから真っ先に死んだ」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 11:04:13.97 ID:5Ug8BclXo
勇者「さっき話したように、戦士は真っ先に魔物に突っ込んでいく事を選んだ」
勇者「なので、誰よりも身体に傷を負った」
勇者「誰よりも回復の魔法を受け、誰よりも回復の薬を使った」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/07/01(金) 11:16:14.26 ID:5Ug8BclXo
勇者「でも、精神はそうはいかない」
姫様「精神……?」
勇者「そう精神。心ともいうかな。そこがね、壊れてくるの」
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