20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:26:02.07 ID:wq3gp6Kw0
そのとき
「唯っ!!!」
という、和ちゃんの声が聞こえた。
迫りくる電車の騒音と、アナウンスの一瞬の隙間に、
絶妙なタイミングで入り込んだがゆえに聞こえたんだろう。
身体が、無意識にその声に反応して、自然と顔が和ちゃんのほうへ向いた。
そして、見たんだ。
私のほうをみて、微笑んでいたのを。
和ちゃんが、右手を鼻の頭に、
そして、そのまま左耳のみみたぶをさわったのを。
「――――っ!」
次の瞬間には到着した電車によって和ちゃんの姿は見えなくなった。
腰がぬけて、その場にへたれこむ。
限界だった。
やかましい騒音と共に電車が去ったあと、
そこには、私と、渡せなかったCDだけがたたずんでいた。
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