過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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795: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 01:39:03.55 ID:0eURSEjko


階層不明・小実験場。

「……参ったな」

 周囲を見回し、番外個体は呟いた。
『空間転移』能力者に拉致され連れてこられたのは、廃機材で埋め尽くされた小さな実験場だ。
小さいと言っても、高さも面積も本格的な室内スポーツができるくらいの大きさは優にあるのだが。

機密保持の関係で外部に廃棄できないものを収める倉庫、あるいは廃棄物の保管場所となっているらしい。
中身が飛び出した大きな機械や埃をかぶったパソコンなどさまざまなものがかなりの高さにまで積み重なり、まるでうっそうと茂る森林のようだ。。
うず高く積まれた機材の間を苦労して抜けながら、番外個体は脱出路を探す。

空間転移能力者を仮に『同伴移動(アブダクター)』としよう。
この場所に転移してきた瞬間にちらりと見えたその横顔は、番外個体の外見年齢と同じ程度かやや幼いくらいの少女のもの。
彼女は番外個体が状況を認識し反撃に転じる前に物陰へと姿を隠してしまい、それ以来姿を見ていない。

「防衛部隊はただの足止め。本命は一方通行とミサカの隔離……かな?」

 敵戦力の分断および各個撃破は対複数を想定した戦闘ではごく当たり前に狙われる手段だ。
彼我の物量差が同程度であるならば、少しずつ着実に敵戦力を殺いでいったほうが作戦の成功確率は高くなる。

しかし、学園都市最強の能力者相手に数的有利の論理は通用しない。
ならば狙われているのは自分と見るべきか。
一方通行と番外個体、どちらが狙いやすいかと言われれば、残念ながら反論の言葉はない。


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