過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/03/10(土) 04:10:10.96 ID:fiKeJx/Ho
機械が生み出した生まれたての彼女たちは真っ白で、『軍用クローン』であると刷り込まれればその通りに動いてしまう。
しかし、きっかけさえあれば自分たち自身の人生を歩み出そうとすることができるのは、美琴の『妹』、そして彼女たちの『姉』らが証明している。
他者に決められた『生まれた意義』に縛られる必要はなく、ただ自身の選んだ生を送ればいい。
かつてとある少年が諭したことを、今度は自分が伝えたい。
そんな想いを込めて、美琴は懸命に言葉を発する。
だが、
「──確かに、そんな生き方もあるんだろうね」
「──それは確かに魅力的」
「──ですが、今の『第三次製造計画』のミサカたちにそんな意志は許されていない」
「──ミサカたちはとある計画のために造られ、そのために生かされている」
「──当然、その『駒』に自由意志なんてあるわけがない」
「──今のミサカたちは、最上位個体の命令によって動かされている」
「──ミサカたちには抗えないし、それに反する行動をとることもできない」
「──結論としては、ミサカたちを止めたいのであれば最上位個体を止める必要がある、ということです」
リレーのように別々の個体が連続して言葉を放つ『第三次製造計画』の妹たち。
彼女らに美琴の言葉は届いても、彼女たちの行動を止めることはできない。
逡巡する美琴らをよそに、『妹たち』は腰に提げていた筒状の物体を2人に向けて構える。
それは1メートルほどの長さで、有機物とも無機物ともとれぬ不思議な質感を持ち、その側面には金色に光る文字が書かれている。
『 Equ.DarkMatter ver."Tirfing" 』
『近親者殺し』の神話を持つ魔剣ティルフィング。
その名を冠する"それ"は、炎の照り返しを受けて不吉に輝く。
「──抜剣」
1人の『妹たち』の号令を受けて、筒状であったはずの"それ"は音を立てて大きく姿を変える。
それは背骨のような剣身から針のように細長い短冊状の刃を一直線に生やし、まるで真っ白い木琴の鍵盤部分のような形状を作っていた。
柄に相当する部分に近い刃は短く、先端に行くにつれて次第に長くなっている。
一斉に突っ込んでくる妹たちが振りかざす"それ"を見て、美琴はまるで場違いな感想を抱いた。
──まるで、天使の翼を根元から引き抜いたかのようだ、と。
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