過去ログ - インデックス「――――あなたのために、生きて死ぬ」
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◆weh0ormOQI
[saga]
2011/07/03(日) 01:08:46.99 ID:vI5sckLy0
果てしないように思われた歓喜の声が徐々に徐々に静まってくると、
インデックスがそのふっくらとした唇を動かそうとした。
当然の如く、航空機脇での撮影を許可された運の良い放送局の集音機が一斉に向けられる。
『統括理事長さま自らのお出迎え、大変身の縮む思いです。
お身体の具合はその後、いかがでいらっしゃいますか?』
流暢な日本語がマイクを通して響き渡ると、今度は驚愕の色が辺りを包む。
最大主教が常人離れした記憶力の持ち主であるのは周知の事実だが、語学まで完璧にこなすとは。
親船はその顔をはっきりと綻ばせると、孫に接するかのように無邪気に聖女に感謝を述べた。
『まあ、ありがとうございます! 最大主教様の労り、老骨に温かく染みますわ』
その光景を直ぐ後ろから見守っていた神父の、真一文字に結ばれた線が微かに上弦の弧を描く。
誰にも認知されていないつもりなのだろうが――
この場で唯一男の魔術が通用しない白髪黒服が、肩を軽く竦めた。
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