過去ログ - インデックス「――――あなたのために、生きて死ぬ」
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942:天使編B[saga]
2011/09/16(金) 21:34:27.69 ID:SQi/WzOn0


彼は直後、同様の苦しみを抱えている男がこの街に居る、と告げてきた。

その男の名を上条は決して語ろうとはしなかったが、

ある事情で『超能力者』の戦闘能力からパーソナルデータに至るまで

収集していたステイルが『男』の正体を悟るのに、そう時間はかからなかった。


「“殺した”ってのは、どういう意味だ」


意識が、現在に戻ってくる。

一方通行は、少なくとも現時点では怒り狂っているわけではなさそうだった。

ステイルは赤の他人が踏み込んではいけない彼の聖域を、土足で、無造作に荒らした。

一方通行の性格を鑑みた最悪のケースでは、血を見る可能性まで想定していた。

そしてそうなった場合のステイルの勝率は、雀が同情して泣き出す程度の数値である。

だがその危険を冒してでも、ステイルは長年の懊悩の解を彼に求めたかった。


「悪い。事前説明がどう考えても不十分だったね」


それから暫くステイルは、ピエロが愚かに踊る喜劇の、語り部に徹した。



あるところに一人の少年がいた。

少年は過酷な運命を背負った少女に恋をした。

しかし少女は呆気なく死んでしまった。

他でもない少年が、その手で殺したからだった。

少女は一年ごとに“殺され”て新しい『少女』に生まれ変わらないと、

本当に死んでしまう呪いに掛かっていたからだった。




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