過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
1- 20
590: ◆G2uuPnv9Q.[saga sage]
2012/03/29(木) 10:42:11.20 ID:YRuMpQ8a0




邪火流「・・・夏美、お前はここで舞子と一緒にいるんだ」

夏美「・・・お父さんは?」

小さな丘の上にある一つの家

見てくれは、決して立派なものではない

家族と暮らすためだけに建てられたもので、金持ちが道楽で作るような酔狂な玩具は何もない

しかしそこだけが、邪火流にとっては帰るべき場所だった

邪火流「俺は行かなきゃいけない」

舞子「・・・大丈夫・・・よね」

邪火流「さぁな、さだのりだって戦争で一度死にかけたからな・・・ましてや俺は、あいつと違って人間の域だ」

茶化したように言うが、それは本音だ

夏美「・・・お父さん、死なないで」

邪火流「分かってる、帰ってきたら一杯やりたいが・・・少し遅くなるかもしれない」

舞子「・・・今日は威嚇してきた敵軍を追い返すだけなんじゃないの?」

邪火流「それで済めばいいが・・・まぁとにかく、本格的な戦争になりそうだったらまずはお前達の避難を最優先させるよ」

舞子「・・・民間人の、でしょ?」

邪火流「俺にとって大切なのはお前達だ・・・正直に言ったらな」

剣を腰にぶら下げ、邪火流がドアを開ける

彼にも分かった、風に乗る火薬の香が

鼻をくすぐるそれは、吐き気が込み上げるほどに憎たらしい

邪火流「行ってくる、危なくなったらまずは瑠璃さんの店に行くんだ、あそこはなんだかんだ人が多く入れる」

舞子「分かったわ・・・気をつけてね」

邪火流「あぁ」

男が歩き出す

人を殺すためだろうか、それとも死なせないためだろうか

邪火流(・・・夏美は俺に人を殺して欲しくないと言った)

出来るのか、そんなことが


そんな、綺麗事が







<<前のレス[*]次のレス[#]>>
935Res/920.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice