過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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722: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/06/04(月) 18:17:40.24 ID:6PiExiXO0
肩を一度鳴らしてから、男が女性の足元に向けて鎖鎌を投げつける

鞭のように伸びたそれは、足元の地面を崩し、女性のバランスを崩させた

「きゃっ!!」

派手に転んだ女性は、そのまま必死に立ち上がろうとあがいている

隣にいるのは、やはり弟のようだった、「お姉ちゃん!」と必死に叫んで手を引っ張っている

「…捕まえた」

その女性の背中を踏みつけ、男が勝ち誇ったように笑う

「あ…!」

背中の骨を、男の脚が正確に捉えている

少し身動きをするだけで、背中に激しい痛みが走るのだ

「お、お姉ちゃんに何するんだ!!!」

「や、やめなさいジョン!」

「放せよぉ!!」

ジョンと呼ばれた少年が、男の脚を拳で殴りつける

だが、所詮は子供の拳だ、そんなもの大して痛くもない

「…」

「逃げてジョン!!お願い、逃げて!!!」

ジョン「やだ!!こいつ殺してやる!!!」

「あぁ?」

男がジロリとジョンを睨み付ける

ジョンの手には、いつの間にかナイフが握られていた

「…」

ジョン「お姉ちゃんを放せって言ってるだろ!!」

ナイフを前に突き出しながら、少年が叫ぶ

「…いいねぇ、こいつぁ面白いや」

そのナイフの刃先を、男は素手で止める

ぎょっと見開かれた少年の目を、体を屈めて覗き込む

「や、やめて!!お願い、その子だけは殺さないで!!!」

女性は叫び、少年は何もできず震えている


「…坊主」

シンとした空気の中、男だけの声が響く。周りの人々はその惨劇に、一目散に逃げていく



「俺を殺したいか、俺を」







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