過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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◆G2uuPnv9Q.
[sage saga]
2012/06/11(月) 20:33:46.76 ID:44GbrwKs0
アイリン「…でもよかった、処女のまま死ぬのって…なんだか、どこかのシスターみたいで…嫌だったのよね…」
ふふふ、と小さく笑う彼女の顔は血の気がない
もうダメだな、と男は悟った
「…そいつはおかしな考えだねぇ」
アイリン「…ありがとう」
「どうしてお礼を言われるのか分からないね」
アイリン「…あなたが…私を…」
「喋るな、もう」
さようならが、こんなにも早く形になるなんて、男は思っていなかった
見てみろよ、と
自分の様な化け物が、誰かと関わりを持てばこうなるのだ
さだのりだってそうなのだ
「…なぁ」
アイリン「…なに…?」
「…アイリン、だったなぁ」
アイリン「えぇ…」
「…愛してる」
小さな声で、男は呟いた
どういう表情だったろうか、自分でも分かることはない
それを見て、アイリンは小さく笑った
アイリン「…上手く、言えるじゃない…」
「…ジョンってのはなぁ、きっと天国に行ったぜ」
アイリン「あなた…そういうの、信じないんでしょ…?」
「今から信じる、そしてアンタも行けるはずだ」
だから心配するな、と男はアイリンの胸に自分の鎖鎌の刃を突き立てた
それなのに、アイリンは恨むような表情をしない
むしろ、最後に一度、彼に口づけをして
アイリン「…待ってるわ」
そう言ってから、彼女は目を閉じた
「…さようならだ」
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