過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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◆G2uuPnv9Q.
[sage saga]
2012/07/08(日) 19:23:35.13 ID:+3GqWjxm0
「…」
恐ろしい男だ、兵士はそう思いながらも何も言うことは出来なかった
この男…彼らの国では、恐らく名を知らない者はいないであろう殺人鬼なのだ
名前、というのは一応あるらしい
彼が母親から呼ばれていた名前、男は自らそれを名乗ることはなかった
戸籍もないほどの貧困街の生まれで、周りに聞き込みを行った警察がやっとこさ名前だけに辿り着けたらしい
ニュース番組では散々聞かされた名前だし、恐らく週刊誌を開けばたまにこの顔写真も載っていることだろう
何より、彼が行った殺人の手段が、あまりにも残酷なもののため、一部では彼に関する記事や書物などに年齢制限を用いるべきと言う意見もあるほどだ
「…た、隊長…」
「なんだよ、お前も殺したいのかぁ?」
「い、いえ…」
そんな男に、敬語を使うのもどうかと思うが、しかし今は敬語を使わなければならない
この男は少なくとも、前の隊長なんかよりはよっぽど自分達の利益になることをしている
頭がきれるのだろうか、作戦も非常に上手く、まさかあの収容所から脱獄して、更に敵国にここまでの壊滅的なダメージを与えるとは思わなかった
「…その、人を殺すことに飽きることとか…ないんですか?」
「…飽きる?」
ぽかんとした表情、こういう殺人鬼でも普通の人間と同じなのだな、と驚いたすぐ後
男は街全体にも響きそうな大声を上げて、笑い出した
「飽きる!?飽きる訳ねぇだろぉ、殺しても殺しても飽き足りないねぇ」
「…」
ゾゾゾッ、と背筋が凍る
もしかして、この男と二人でいるのは危険なのではないか、と
「…お前、名前はなんていうんだ?んー?」
「…メ、メルビンです…」
「オーケー、メルビン…そこに一匹の猫が見えるな、分かるか?」
「…は、はぁ」
男が指差した先に、瓦礫の上を器用に歩く猫がいた
よたよたとした歩き方だ、怪我をしているのだろうか
「…あれを、殺すとしたら、お前はどういう方法を選ぶ?」
「こ、殺す…ですか」
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