過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
1- 20
837: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/07/14(土) 21:59:40.05 ID:Xp4KcEbx0
阿修羅「…何を」

さだのり「…お前の父親を殺したことも、謝る必要がある」

阿修羅「…謝るな、俺にはそれを聞いてもどうしようもない」

さだのり「…憎くはないのか」

阿修羅「…今のお前を見ていると分かる、過去のお前も…信念を貫いたんだ、俺の父さんがそうだったように」

さだのり「…」

阿修羅「…憎しみを忘れるのではない、捨てるのだ…父さんはよく言ってた」

さだのり「そうかい」

阿修羅「…走って国境地域まで行くか?時間が掛かるが」

さだのり「…問題ない、行こう」

阿修羅「…あぁ」


夜の道を、二人の男が走る

桜の季節、道端には桜並木が連なっている

さだのり「…あ…」

阿修羅「…どうした?」

さだのりが、その途中で足を止めた

どこかの公園だ、阿修羅は初めて着た場所だが

さだのり「…」

阿修羅「…どうした?」

さだのり「…いや…なんでもない」

さだのりの目には見えていた、若い男女がそのベンチで食事をしている幻が

男は照れている、女はそれを見て笑っている

懐かしい過去の幻を

さだのり「…俺はいつも…待ち合わせに遅れていた」

阿修羅「…何を言っている?」

さだのり「…死神が、俺の肩に鎌を掛けている、時計の針を刻むように、少しずつ俺の首にそれを近づけるんだ」

だったらいいだろう、とさだのりが笑う

さだのり「…俺はもう、遅れはしない、すぐに、出来る限りの速さで、あの男を殺してこの国に平和を取り戻す」

阿修羅「…」

さだのり「…行くぞ、こんな公園では立ち止まってられない」

阿修羅「あぁ」

さだのりは再び足のリズムを刻み始める


さだのり(…じゃあな)


誰にでもない、そんな別れを告げて







<<前のレス[*]次のレス[#]>>
935Res/920.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice