過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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889: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/08/23(木) 13:19:53.35 ID:MHBcUoks0



ギラギラと太陽が空に輝いている

地面を踏み鳴らし、進んできた兵士達が、ある物を見つけた

「邪火流隊長…さだのりさんと、阿修羅さんです」

邪火流「…」


背中わせで、笑いながら死んでいる二人の男だった

邪火流「…なんて幸せそうな顔をしてるんだろうな、こいつは」

さだのりの顔を見つめる邪火流は、なぜか嬉しそうな表情をしていた

「隊長…」

邪火流「…本当は、ここに…ここに、来たくはなかった、こいつが死んでいるのなんて、見たくなかった」

だがよかったよ、と邪火流は言った

邪火流「…さだのり、阿修羅…帰ろう、俺達の故郷に」

「…隊長、さだのりさんは隊長の旧友の方と同じ場所に埋葬するとして…阿修羅さんは」

邪火流「こいつも一緒に埋めてやろう、それでいい」

「…はい」

邪火流「…さだのり、戦争は終わったぞ、結局は敵との交渉によってだ、お前達の…守ってくれた平和的解決ってやつが、少しは出来たんだ」

さだのりの死体を抱え、邪火流は語りかけた

邪火流「…夏美はな、お前が…お前が死んだことに、ずっと泣いていた…お前は馬鹿だよ、あんなにお前を思ってくれている人々がいるのに、それにしばらく気づかなかったなんて」

邪火流「…舞子も…舞子も、お前のことを思い出して涙していた、ベッケンバウアーもだ…おっと、陛下だったな」

「…隊長、ハンカチを」

邪火流「…いらないさ、涙は袖で拭いてきた人生だ」

邪火流が目を閉じる、どこか遠くで、さだのりの声がした


邪火流「…みんな、聞いてくれ…ここにいるのは、俺の友人の二人だ、手厚く葬ってほしい」

「はい」

邪火流「…ありがとう、さだのり…阿修羅…」

兵士一同が、二つの死体に敬礼をする



「…ありがとうございました」



気にすんなよ、そんな声が聞こえた気がした







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