過去ログ - キョン「全世界をひっくり返しても必ずお前を取り戻す」
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134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 18:21:34.04 ID:OoeN/3dX0
はてさて、「どこかで聞いた事があるな。どこだったか?」などとは完全に俺個人の煩悶であり、少女には何の関連も無かろう。であるならば、ここで自分勝手に思索に耽るのは失礼というものだ。名乗られたからには名乗り返すのが礼儀である。そこに疑問を持つのは思い切った捻くれ者だけさ。

「そっか。長門さんか。今日一日だけかも知れんが、よろしく頼む。俺の事は知らないよな?」

完全無欠に初対面の男子生徒を知っている方がオカしな話だ。俺は涼宮よろしくの有名人ってんでも無い。普通に高校生活してるならその他のエキストラで一まとめに括られちまう類だが、別にその扱いに対して異議が有る訳じゃないしな。

果たしてしかし。彼女の返答は俺の予想を丸っきり裏切ったものであり。

「……知っている」

正直、頭を抱えずにはいられないのが内心だ。この一年と半年、こんな大人しい物静か系女子の耳に名前が届き、かつ記憶にまで刷り込まれるような事を俺は行ったであろうか。大急ぎで記憶のフィルムを掻き回して引き伸ばせど、身に覚えなんか一つも無い。有って堪るかよ。

「え?」

素っ頓狂な声が喉から出ちまう。仕方無いだろ。いつの間にやら悪名が校内に轟いちまってたんだとしたら、割と本気で青春の大ピンチで崖っぷちだ。

「な、なんで?」

「……貴方の名前は――」

おっかなびっくり、次いで彼女が口に出したのは確かに俺の名だ。一方的にこっちの名前を知られてるってのはどうにも気分が悪い。それとも自覚が無いだけで有名人だったり……いやいや、それは無い。無い。無い。無い。

何が楽しくてこんな何の取り得も無い男について噂をせねばならんのか。俺は理解に苦しむし、もっと有意義な事にその時間を使ったらどうだと声を大にして言わせて貰いたい。

「……覚えてない?」


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