過去ログ - キョン「全世界をひっくり返しても必ずお前を取り戻す」
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[saga]
2011/07/05(火) 17:56:02.04 ID:Yrxo7Ufx0
後ろの席で続いてハルヒが何事かボヤくも俺には聴力はおろか、最早声を返すだけの気力も残っちゃいない。辛うじて「俺はもうダメだ。後は頼んだ」という意味を込めて右手を頭上でひらひらと揺らしてみた。
「……そんな所で扇いでもちっとも涼しくならないわよ、馬鹿キョン」
どうやらハンドサインは一つも伝わらなかったようだ。が、訂正する必要性を感じないので放置しておく事とする。いつもならば放置に対して俺の背中をシャーペンで突付くという報復に出るハルヒも、しかしこれだけ熱いと虫の息である。
体力面でハルヒと比べるべくも無い俺は虫の息どころかバクテリアの域だ。気温が高過ぎて「溶ける」という表現の意味をここに来てようやく身をもって理解した。
人体は七から八割方水分で出来ているので、これはもうスライム状の生き物と似たり寄ったりなんだろうよ。しっかし、こうも熱いと溶けるを通り越して蒸発するぞ。ほら、谷口のヤツなんか魂が口から出ちまって……おい、谷口、戻って来い!
そんなこんなで化学教師の「早く自分だけでもエアコン圏内に避難しなければ」という思いを如実に映してだろう、授業は駆け足どころかカモシカインマイレッグで進み、チャイム十分前にして放課後に突入である。
ご存知だとは思うが俺の席は窓際後方二列目であり、それはつまり太陽の範囲攻撃射程内である。カーテンを引いちゃいるものの、そのカーテンが今にも燃え上がりそうなほどに熱い。なるほど、これがファイアウォールとやらか……いや、冗談だ。真に受けるなよ。
「おい、ハルヒ。生きてるか?」
死んでいたら大問題だが。
「……なんとか、ね。早く部室に避難しましょう。あそこなら扇風機が有るし、冷蔵庫も有るわ。それにみくるちゃんがお茶を淹れてくれる」
ああ、そうだった。皆の衆はご存知無いかも知れないが、ついに我らがマスコット未来人、プリティエンジェル朝比奈さんは冷たいお茶も淹れられるようにバージョンアップを果たされたのである。
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