過去ログ - キョン「全世界をひっくり返しても必ずお前を取り戻す」
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64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/16(土) 21:19:30.35 ID:7YKqA0Q90
「それでも」

彼女は顔色一つ変えず、そして俺の眼を見たままに決してその眼を逸らさず、小さく口を開いた。小さく、けれどはっきりと。

「ありがとう」

どうやらその言葉の内訳は教えて貰えそうにないってのは、ここまでのやり取りで理解した。まあ、いいさ。興味も関心も尽きないが、それでも美少女に感謝されるってのはそれ単体であっても価値が有る。悪くない、ってヤツだな。

なんとは無しにぼんやりと、そして何も言えずに彼女を見ているとそこで、その手に何かを持っている事に今更ながら気付いた。暗がりだったからってのも理由だが、それよりも彼女の深い瞳に視線を吸い寄せられていた方が理由の八割を占めると自己分析しよう。うん。

見蕩れていた、って言ったらちょいと語弊が有りそうだけどさ。

「なんだ、その――手に持ってるのは? 紙切れ……に、俺には見えるんだけどさ」

「これは、短冊」

短冊。言われてみりゃ確かにだ。ぱっと見はやる気の無い栞にしか見えないが、そこはそれ、時節を鑑みれば納得出来なくもない。

「ああ、七夕に吊るすのか?」

「そう。正確には笹に吊るす」



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