過去ログ - 唯「明日は恋なきものに恋あれ」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:44:10.66 ID:kPL2CQfgo

効率よく、それを消してしまえる手段も心得ている。
誰か話をよく聞いてくれる人に、その思いをすべて打ち明けてしまえばいい。
異物は身体の中から抜け出て、二人の会話の空間の中へと溶け込んで、無害な物質に変わる。
ただ、それが案外難しい。
話す相手は慎重に選ばなければいけないからだ。
そうでなければ、引っ掛かった思いを解消するどころか、よけいに気持ち悪い思いをしかねないことになる。
これには二つの理由があって、一つにはたぶん私が悪い。
頭の中に収まってる思いは常にもやもやとしていて、自分ではちゃんと把握できているつもりなのに、相手に説明しようと思うと言葉がつっかえて、その形をうまく伝えることができない。
ちょうど雲の形を眼でははっきり分かっていても、言葉で表そうとすれば困惑してしまうのと同じことだ。
聞き手は、私のことをよくわかってくれて、私の曖昧な言葉を整理し、話の向かう先を先回りして待ち構えててくれるような人でなければならない。
そんな夢のような人は親しい人の中にも、指で数えるほどしかいない。
もし私がもっとうまく言葉を喋れたなら、そうはならないだろう。
頭で思うことよりも、口で話すことはずっとむずかしい。


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